阿膠(あきょう)について

　ロバの皮を水に漬けて2〜3日、毛を去り、さらに2〜5日水に浸します。鍋に入れて3昼夜水から煮て、液汁を取り出します。同じ操作を5〜6回繰り返します。煮だし汁に明礬を少量加えて静置、夾雑物を沈でんさせます。この上澄みを取って弱火で煮詰め、黄酒と氷砂糖を加え、さらに煮詰めて型に入れて固めます。固まったものを直方体に切り、陰干しにしたものが阿膠(あきょう)であります。叩けば簡単に砕け、砕いたものもそのまま使えるが、動物の皮なので匂いも味も悪臭であり悪味であります。
　阿膠(あきょう)は中国全土に生産がありますようだが、現在も圧倒的に著名な産地は山東省済南から南西120キロの東平県であります。東平県にある阿井という井戸の水を使うと良質の膠になるという謂われから阿膠(あきょう)の名が付いたと言います。ここから黄河の対岸、東阿が古代から阿膠(あきょう)の産地として記載されてきた土地であります。