茵陳蒿(いんちんこう)について

　茵陳蒿(いんちんこう)とは、川原や海岸の砂地に自生するキク科の河原蓬（カワラヨモギ）で、夏の開花時期に全草を刈り取り、乾燥させのです。綿茵陳（めんいんちん）は幼苗を乾燥させたものです。
　漢方では解熱作用、胆汁の分泌を促進する作用、抗菌作用（黄色ブドウ球菌・枯草箘・チフス菌・結核菌などの抑制）、抗ウイルス作用（インフルエンザウイルスＰＲ３の抑制）、抗真菌作用（せい紅色白癬箘の抑制）、血管壁への脂質沈着を防止する作用、降圧作用、血中コレステロール降下作用、血管の粥上硬化抑制作用などが報告されています。
　茵陳蒿(いんちんこう)は、「黄疸（おうだん）の聖薬」とされており、肝炎や胆のう炎などによる黄疸の補助療法に重用されています。最近は、「肝硬変による肝臓細胞の繊維化の予防改善作用」を期待して、茵陳蒿(いんちんこう)が多用されているようであります。注意として、茵陳蒿(いんちんこう)はが貧血や寄生虫が原因である「虚熱の黄疸」には、使用しないことであります。