桃仁(とうにん)について

　桃仁(とうにん)はモモ、またはノモモ（山桃）の成熟した種子を日干しにしたもので、味は甘苦く、性は平です。血が滞ることによって起こる腹痛、炎症などを鎮める作用があり、月経困難、月経痛、下腹部痛、便秘などに効果があると言われます。
　漢方では、消炎性駆オ血薬として、下腹部の満痛、腹部の血液の停滞、月経不順、打撲によるうっ血の疼痛、血行不順による関節痛などに応用されます。
　民間的には、種子には浄血、鎮咳、消炎作用があることが知られていますが、鎮咳効果は青酸配糖体のアミグダリンによるものです。その他、葉は薬湯料として、肌荒れやあせもによいとされています。