杜仲(とちゅう)について

　杜仲(とちゅう)はトチュウEucommia ulmoides Oliver（トチュウ科Eucommiaceae）の樹皮を乾燥したものです。味は甘・微辛、性は温です。中国で不老長寿の生薬として珍重されてきたように、ゲニポシド酸、カルシウム、カリウム、マグネシウムや鉄、繊維、植物性亜鉛（お年寄りに大切）などの栄養素を豊富に含んでいます。杜仲葉に多く含まれるリグナン配糖体に血圧降下作用が認められ、杜仲茶として利用されます。
　杜仲(とちゅう)には腸からのコレステロールの吸収を抑制したり、血圧を下げたりする働きがあります。年齢とともに、脂肪の代謝が悪くなった方にもってこいの生薬です。安胎(あんたい)と呼ばれる流産防止の働きもあり、妊婦で腰がだるい場合や、お年寄りで体力が非常に弱っている方でも安心して使用することができます。
　漢方では、降圧作用、滋養作用、強壮作用、鎮痛作用、補肝腎作用、強筋骨作用、安胎作用、利尿作用などがあり、腰や膝の痛み、妊婦の腰重、足の膝軟弱、帯下、性機能障害、不正子宮出血、高血圧などに良いとされます。薬酒に用いてアルコール分で浸出することで、より一層効能が高まるとされます。
　杜仲茶とは中国で不老長寿の生薬として珍重されている「杜仲」を原料にしたお茶です。漢方において「腰痛、足腰の倦怠感解消、頻尿、肝機能・腎機能の強化、高血圧」に効果があるとされています。また、このお茶の効果で有名なのはダイエット効果です。体内脂肪を減少させ、肥満を抑える作用があることが科学的にも立証されつつあります。